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「お待たせしました」
戻って来た直は、手に分厚い本を持っている。
「それ何?」
「ギルド登録すると“吟遊詩人”に与えられるガイドブックです」
「へぇ、見た目も凝ってるんだな」
大輔の言う通り、ガイドブックは羊皮紙で作られた中世の本のような装丁になっている。
「舞台が中世なので、世界観に合わせているんだと思います」
そう答えてから、直は続けた。
「ちょうどプレイし始めたギルドがいたので、観客として見学する許可をもらってきました。行きましょう」
そして、今度はロビーに複数設置されている『Log in』と書かれた大きな門の前まで3人を連れて行く。
門柱にガイドブックをかざすと、4人の全身を明るい光が包み、機械的な案内音声が流れた。
『Welcome to “The Knight‘s Tale”』
明日香たちが一歩足を踏み入れると、そこは四方を城壁に囲まれた石造りの城だった。
堅牢そうな城門をくぐり、更に歩みを進めると、城の中庭に設置されたフィールドでゲームが行われていた。
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