1.クロノス

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続いて飾りを着けた馬のデータが現れ、プレイヤー、対戦相手共に騎乗する。 『5、4、3、2、1(ファイブ、フォー、スリー、トゥー、ワン)……GO(ゴー)!』 案内音声が試合開始を告げると共に、長い柵をはさんで対角線上にいたプレイヤー、対戦相手が乗った馬が同時に駆け出す。 見れば双方共に右手で槍を構えている。 すれ違い様、凄まじい衝突音と共に両者の槍が激突した。 プレイヤー側はなんとか騎乗したままこらえたのだが、甲冑の胴体部分を正確に突かれた対戦相手側は落馬する。 「今のように1対1で対決し、相手が落馬すれば勝利。5本勝負のうち3本先取出来ればプレイヤー側の勝利です」 そうルールを読み上げた直に大輔が訊ねる。 「確認だけど、身体的なダメージはないんだよな?」 「もちろん、意識だけダイブしていますから大丈夫ですよ」 大輔がそう訊ねたくなった気持ちが明日香にも理解出来る。 観戦ゾーンにいてもあれだけの衝突音がしたのだ。実際体感するとなれば相当の衝撃だろう。 その後、最後までゲームを観戦した4人は、約2時間で“クロノス”へのダイブを終えた。
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