クロノスからの招待状

2.はじめての挑戦

翌週の日曜日、明日香たち4人は再び『Kronos Cafe』を訪れていた。
一度経験したのでヘッドギアもスムーズに装着でき、各々すぐ”クロノス”へのダイブに移行する。

『Welcome to the(ウェルカムトゥザ) “Kronos(クロノス)”』

この一週間、クローゼットに眠っていた剣を引っ張り出し、毎晩部屋で的を突いた。
放課後には屋上でひとりフットワーク練習。

『Are you ready(アーユーレディー)？』

今の自分に出来る限りの準備はしてきたつもりだ。

「Yes(イエス)」

あとは実戦あるのみ。

『OK.Let's Dive(オーケーレッツダイブ)！！』

やっぱり目は眩んだけれど、前回よりは落ち着いた心境で、明日香は”クロノス”にダイブした。
直がレセプションでガイドブックを受け取り、4人はログインゲートに向かう。
直が門柱にガイドブックをかざすと、機械的な案内音声が告げた。

『Welcome to(ウェルカムトゥ) “The Knight‘s Tale(ザナイツテイル)”』

足を踏み入れると、前回とは異なり城門が閉じられている。
更に、全員の衣装が自動的に変わっていて、直は焦げ茶色の衣装に羽がついた帽子をかぶり、明日香はベージュ色の衣装、ゆかりは濃緑色の衣装、大輔は紺色の衣装に身を包んでいた。