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まずは私の出番。
ゆかりは深く息を吐いて吸った。
あとに続くチームメイトのためにも、ゲームに勝って勢いをつけるのが自分の役割だ。
『First game“Archer”』
「じゃあ、行ってくるね」
「ゆかりさん、頑張って下さい」
明日香達に小さく手を振って、ゆかりはゲームを行うフィールドに進み出る。
それと同時に、胸部を覆う防具、指先を守るためのガード、背中には矢筒が自動的に装着され、手の中にロングボウが現れた。
重さは普段使っている並寸の弓より、やや軽めだ。意識だけダイブしているはずなのに、質量を感じられるというのは何だか奇妙だけれど。
18m先の位置に的が現れる。
少し離れた位置に、データで作られた対戦相手が立ち、構えの姿勢をとる。
『Ready、Set』
自分の右側中央に構えた弓に矢をつがえ、二本指で弦ごときりきりと顔の前辺りまでひいたゆかりの脳裏に、先ほど見た今日香の姿がよぎる。
彼女に意識を取り戻してもらうためにも、この1射目は絶対に高得点を取りたい。
『Shoot!』
……しまった!
矢を放った瞬間、ゆかりは自分の失敗を悟った。
矢の軌道は左側に逸れ、かろうじて2点の位置に刺さる。
対して、相手の矢は8点を射ぬいていた。
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