1.クロノス

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「……で、どんなゲームなんだ?」 「ゲームマスターの城に捕らわれたお姫様をプレイヤーが救うストーリーで、プレイヤーは自分の身体を使ってプレイするのと同じなんだって。でもプレイするにはあと弓で戦う“アーチャー”と馬上槍試合で戦う“ランサー”が必要なの。だから大輔くんには“ランサー”になってもらいたいと思ってる」 「それって、俺がサーブルやってるから?」 サーブルはハンガリーの騎兵隊の剣技から派生した種目で、上半身を剣で突く、もしくは斬れば得点出来るルールだ。 「うん。斬る動きはないけど馬上で突くって点では応用出来るかなって」 「剣と槍じゃ大違いな気もするけど、弓よりは出来そうだな。まあ、やれるだけやってみるよ」 不安は残る様子だったが、大輔はそう答えてくれた。 「あとは“アーチャー”なんだけど、私、全然心当たりがなくて……。大輔くんの周りに弓使えそうな人っている?」 「確か今日香の友達が弓道部だったはず。参加してもらえないか頼んでみるから、その画像俺に送ってくれ」 神様、仏様、大輔様! 明日香は手を合わせ大輔に頭を下げた。 「大輔くん、ほんとありがと!!」
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