顧栄伝

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9. 榮素好琴,及卒,家人常置琴於靈座。吳郡張翰哭之慟,既而上床鼓琴數曲,撫琴而歎曰:「顧彥先復能賞此不?」因又慟哭,不弔喪主而去。子毗嗣,官至散騎侍郎。 (訳) 顧栄はもとより琴を好んでおり 卒するに及んで、家人は 霊座に常に琴を置いていた。 呉郡の張翰(ちょうかん)がこれに慟哭した後 床に上り、琴で数曲を奏でると 琴を撫で、慨嘆して言った。 「顧彦先はもう、こんな風に 鑑賞する事はできないのだな」 そこでまた慟哭し 喪主を弔わず去っていった。 子の顧毗(こひ)が嗣ぎ、 官職は散騎侍郎まで至った。 (註釈) 張翰(ちょうかん)は1節で、顧栄から 「酒を飲めば嫌なことを忘れられるな」 って言われた友人。 「江戸前の旬」のジュンサイの回に 出てきたなぁ。 顧栄の死を受け入れられなかったのか 霊座で琴を演奏した後、 彼を弔わずに去っていってしまった。 肉焼きの恩返しの件といい 人望あるよねこの人。 顧栄伝は以上です。 戦闘 ★★★★★★ 6 呉時代は太子の護衛役。 晋時代に貰ってる役は武官寄り? 思ってたより武闘派なのかも。 誇張だろうけど、 古今で顧栄ほどの手柄を 立てた人間はいないとか言われてるし 陳敏討伐は万人に誇れる 偉大な功績のようだ。 「榮麾以羽扇,其眾潰散」は 完全にマンガの世界。 実はかなり優秀な指揮官? 死後は驃騎将軍。 戦略 ★★★★★★★ 7 命が箸より軽くなっていそうな 八王の乱に巻き込まれながら生命を全う。 八王に見切りつけるのが早いのは 賢明さの証左だろう。 永嘉の大乱を予感して引き返したり 陳敏を素早く制圧したり 機を見るに敏。 陳敏戦では橋を破壊し 船を回収しておく事で敵を翻弄。 元帝が何かしら行動を起こす際 いつも顧栄に諮問していた。 内政 ★★★★★★ 6 ここが一番情報がない。 公平な処置とか言われてるから 絶対低くはないはず。 人格 ★★★★★★★★ 8 肉焼きにも対等に接する懐の深さ。 友人の張翰から その死を受け入れられないほどに 愛されていた。 旧呉の人員でトップクラスの名声があり、 ピンチになると誰かが助けに来るのは ひとえに彼の人徳のなせるわざだろう。 東晋初期を彩る 「五儁」の名は伊達ではない。 統率 68〜81 武力 34〜56 知力 78〜86 政治 62〜75 魅力 80〜92 コーエー査定だとこんな感じ? これにて顧栄伝を終わります。 今日からは後漢書に戻ります。 万脩伝と劉植伝。超短いよ! 2022.6.6
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