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――「クリスマス」まで、残り6日――
またまたうっかりしていたけれど、「クリスマス」には星だけでなく、たくさんの鈴も必要になるらしい。
『ツリーとかリースに、鈴もつけるんだよ』
『ふーん、なんで?』
『可愛いから? それか「私はここにいますよ!」っていうアピールじゃないかな?』
『そっかー』
メイちゃんが話していたことを考えると、たぶん必要なのは熊よけの鈴だな!
りんりんしゃんしゃん鳴らしていたら、なぜかヒッポグリフが大量に集まってしまった。君たちも「クリスマス」のお祝いをするの? じゃあ、ゆっくり村までおいで。
――「クリスマス」まで、残り5日――
はらり。僕の前にひとひらの雪が降る。お、ちょうどいいところに来てくれたね! 通りすがりの雪の精霊を捕まえてみた。
『「クリスマス」には、雪がなくっちゃね』
『メイちゃんのおうちは、雪が降るところだったんだ』
『ううん、全然降らない。むしろ雪が降らなすぎて、雪が積もると「○十年ぶりの積雪」とか大騒ぎになってた』
『へー』
『でも、だからこその憧れってあるじゃない。「かまくら」も作ってみたいなあ~』
うちの村、今年はまだ雪が積もってないんだよね。
「そういうわけでさ、頼むよ!」
「まったく、実にくだらないことで……」
新婚だという雪の精霊は、さっさと家に帰りたいらしい。メイちゃんなら、こう言うだろう。「このリア充め!」と。
「そんな心の狭いこと言ってると、奥さんに嫌われるぞ~」
「……いいだろう。望み通り存分に雪を降らせてやる」
やらかしたかも……。まあ、いざとなったら、みんなで雪かきすれば……。うん、ごめん。ちょっと反省した。
――「クリスマス」まで、残り4日――
お願いしていた品がそろそろ出来上がる頃かな。僕は、巨人族の住む街を訪れた。
『プレゼントを入れてもらうために、靴下を吊るすのよ』
『靴下に入らない時はどうするの?』
『無理矢理なんとかするんじゃないかしら』
一番のプレゼントは手渡しするつもりだけど、渡したいものがいっぱいあるからやっぱり靴下はなるだけ大きいものがいいと思う。
彼女へのプレゼントに使うと話したら、巨人族の店員さんはメイちゃんが巨人族だと誤解したみたいだった。違うよ、そういう種族差とか体格差は心配してくれなくていいから、ほっといて!
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