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屋上
『今年のクリスマスは、私にとって人生最悪の日だった。いや人生において2度目の悪夢だった。それは踏みつけたガムに顔を押し付けられるように、否応なしに自分にある感情を認識させられた事件だった。』
コールのインタビュー記事を読み終わった人影は、大きくため息をついた。冷たい風に息が白く流れてゆく。
「所詮はただの泥棒か。役立たずめ」
閉じた新聞をぐしゃりと握ると、人影はパラディン病院の屋上をあとにした。
〈過去の亡霊篇 完〉
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