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ジャン・マックナイト
ジャン・マックナイトは盛大に毒づきながら愛馬を走らせていた。
サムが牧場に出ているときは、いやどんなときでも絶対に目を離さないと決めていたのに。
母親譲りの長い黒髪と茶色の愛らしい瞳を持つ、五歳の姪は厄介事を引き起こす名人だった。
今日もミルキーウェイに一緒に乗せたところ、ポケットベルが鳴ったので近くにいたカウボーイのボウに任せたのだが、あっという間に逃げられてしまったようだ。
サムはボウが必死に隠していた猫嫌いのことをどうやら知っていたらしい。
そこでしばらくボウと一緒に乗馬を楽しんだ後、猫の鳴き声を真似たようだ。
しかもご丁寧にも、
『猫?』
と驚いてまでみせて。
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