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「大丈夫なの?」
倒れていた女性は小柄で日に焼けていた。
華奢な体躯からはぱっと見、十代としか見えなかった。
だがジャンの場合、その仕事柄多数の国々を回った経験から、区別のつきにくいといわれる東洋人の区別もできた。
(二十代半ば、といったところか)
長い黒髪、肌のきめ細やかさ、顔立ちからすると日本人の可能性が高い。
脈を計りながらジャンは素早くそう判断した。
骨は折れていない。脈も正常。だが脳震盪を起こしているかもしれないので、そっと女性の体を楽な体勢にした。
彫りの浅い顔立ちはこれといって人を引き付けるものはないように見えたのだが、なぜかジャンは彼女の腕から手を離すことができなかった。
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