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柔らかな体の線は保護欲をそそり、緩やかな曲線を描く眉山やまゆ毛で陰になっている小さなまぶたはひどく独占欲を刺激した。
あまり存在を主張しない控えめな鼻に口づけを落としたらどんな反応が返ってくるのか。
そしてすでに激しい口づけを交わした後のような官能的な厚みのある唇。
ひとつひとつでは美女とは言えないかもしれないが、それらの均衡が上手く組合わさって、一度気付いたら二度とは忘れられない魅力となっているように思えた。
ジャンは体が熱を持ってくるのを感じていた。
(ばかな。ティーンエイジャーでもあるまいし。この状況で)
「その人、大丈夫だよね?」
サムの声に我に返り、ジャンは頷いてみせる。
「ああ。大丈夫だ。ちょっと車の方を見てくるから、この人を頼むよ」
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