第四章

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 すると、少しして。通路の向こうから、まりんを呼ぶ声が聞えて来た。 「まりん殿、無事であるか?」 「まりんちゃん、そこにいるの? まりんちゃん?!!」  武器庫を出たところで、通路の中に白い煙が充満していることに気付いたのだろう。レーソスもエーディンも、そしてダクタも。手に手に武器を持って、緊迫した表情で問いかけて来た。まりんは「仲間たち」の顔を見たことで、ようやくほっとして、ぺたりと床に尻を突いた。  ……足でまといヒロイン、危機一髪の巻だったわね。でも、敵側に大事な情報が知られなくて良かった。ほんと、あたしの「危機察知能力」に感謝しなくっちゃね……。  レーソスたちは未だに立ち込める「白い煙幕」の中、床に倒れているのがディオンだと知り、驚きの表情を浮かべながら。まりんの無事を確認し、まりんと同じようにほっと胸を撫でおろしていた。
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