第一章 初姫と鬼の温羅

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「えっ……と、一般参賀に来た人に、手を振ってるとか……」 弘之は過去に見たことがある映像を思い浮かべる。 「それだけ?」 「えっ……いや、あんまり考えたこと、あれへんかったな……」 弘之は返事を考えるふりをしながら、これからどうするか考えた。 初姫は可愛い。彼女になって欲しいし、何といっても彼女の一次選考を通過している。 でも、交際をすると、色々と面倒くさいことになりそうだ。諦めて彼氏になることを辞退するべきか……。 「まぁ、それが普通だと思いますけど……。あのですねぇ」 初姫に見つめられて、弘之はドキッとした。こんな可愛い顔で見つめられたら、絶対に付き合いたい。 弘之の中で、先のことはさておいて、とりあえず彼女にしたいという欲望の方が(まさ)った。
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