シーン3 妖退治

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スマートフォンのカメラの性能が上がり、一億総カメラマンと言われている時代である。 初姫が暴漢を取り押さえるシーンが、その日の夜の全国ネットのニュースで流され、暴漢を取り押さえる美少女女子高生として、初姫は一躍時の人となってしまった。 「まったく困ったことをしてくれたのぉ」 重充がため息を吐く。 「ごめんなさい」 「京守家は代々、温羅の封印を守るために、一般の者たちから目立たぬように生きてきたというのに……」 「反省してます」 初姫は謝ることしか出来なかった。 「とにかく宮内庁に報告をして、マスコミに圧力をかけてもらうしかあるまい」 重充は電話をかける為に、席を外した。 お祖父さまの言うことは分かる。 でも……すでに縛妖堂の中で封印されているのは、温羅の身体だけで、温羅の精神はわたしの中にあるのだから、封印自体が意味がなくなってしまっていると思うのだけど……。 初姫はお祖父さまの背中を見送りながらそう思った。
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