わたしのきもち

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 今日は決戦の日だ。  ずるずると先延ばしにしてしまっていたけれど、今日こそ彼に私の気持ちを伝えに行く。数日前にようやくついた決心が鈍らないように、なるべく彼の顔を思い浮かべないように、頭を真っ白にして。  私はまだ夜の明けきらない薄暗い時間に、自分の部屋の鏡を見て、身支度を整えた。顔色は悪いけれど仕方ない。出来る限り可愛い私を見せたいから、無意味に笑ってみたりした。でも、いざ彼の前に立ったとき、この顔はきっと見せられないと思う。  いけない、また私は怖気づいてしまうようなことを。  頭を振って、最後に鏡をもう一度だけ見てから部屋を出た。  階段を降り、父と母が眠る寝室に、音を立てずに忍び込み、二人の寝顔を見た。  一年前、が起こって以来、実家に戻った私は、一年かけて、いかに父と母が私を愛してくれていたかを改めて知った。  父の眉間に皺が寄っている。母はまるで大事なもののように毛布を抱き締めて、二人とも、静かな寝息を立てている。  その姿に勇気を貰い、口元で「ありがとう」と囁いた。  お父さん、お母さん、行ってきます。  今度は心の中で呟いて、廊下に出た。ゆっくりと、いつもと変わらない実家の匂いや景色を噛み締めてから、外に出た。
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