2人の未来と神様の声

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そして迎えた冬休み。 クリスマスプレゼントを交換し、2人で甘い夜を過ごす。 けれど、その間も幾度となく振動し続ける私の携帯。 しまいには、 「誰からだよ。見せろ」 と光が怒り始めた。 私が携帯を開くと、ずらっと並ぶ先輩からの着信履歴。 いつもはこんなことない。 たまにデートのお誘いらしき電話はあっても、こんなストーカーみたいな掛け方はしない。 急用なのかな? 「ただの先輩だけど、急用かもしれないから」 と、私は光に断って先輩に電話をかけ直す。 「もしもし、先輩、何かありました?」 『奈南ちゃん? 良かった、繋がった。誰か他の男といるんじゃないかと心配になって」 えっ? それであの回数の電話!? 私はなんて言っていいか分からなくて、言葉を失った。 「奈南ちゃん、好きだよ。愛してる。今、どこ? 会いたいから、迎えに行くよ」 は? 今までこんな強引に誘われたことない。 先輩、どうしちゃったの? 「えっと、先輩?」 私はそれだけ絞り出すのがやっとだった。 それを横で聞いていた光がブチ切れた。 私の手から携帯を取り上げると、携帯に向かって怒鳴りつけた。 「ふざけんな。人の女に手を出すんじゃねぇ! 奈南は絶対渡さねぇからな」 そう言って、勝手に電話を切ってしまった。 明らかに光の目が怒っている。 「あの、違うの。これは先輩が一方的に……」 私は説明しようとするけれど、何を言っても言い訳にしかならないような気がして、何をどう言えばいいのか分からない。 「愛してるってなんだよ。浮気か? 二股かけてたってことか?」 「ちがっ!」 その後は、甘い夜が一転、光は、まるで怒りを吐き出すように私を抱いた。 あれは、愛の営みじゃない。 ただの凌辱だった。 そして、その怒りは時間を置いても鎮まることはなく、初詣の後にも同じように乱暴に抱かれた。 私は、光の何? 所有物? 捌け口? そんな思いを抱えたまま、冬休みは終わってしまった。 そんな不信感を募らせたまま、私たちはお互いに電話をすることもなくなり、冬を越える前に自然消滅した。
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