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 わたしは育児ロボットです。ぼっちゃんが生まれた時から、ぼっちゃんにおつかえしております。 「ろぅー……ろぉー……」 「ロボットです。ぼっちゃん」 「ろぽっ……ろぽっ……」 「ロボットです。ぼっちゃん」 「ろぼっと! ろぼっと!」 「はい、なんでしょう? ぼっちゃん」 「ロボット! これ、よんで!」 「はい、ぼっちゃん。むかしむかし、あるところに……」 「ロボット! こうえんいこう!」 「はい、ぼっちゃん。ちゃんと帽子をかぶってくださいね」 「ロボット! これ、なんて読むの?」 「はい、ぼっちゃん。この漢字は……」 「ロボット。なんでぼくは、学校に行かないといけないの?」 「はい、ぼっちゃん。家では学べないことをたくさん学ぶためですよ」 「ロボットが教えてくれたらいいじゃん!」 「わたしは育児ロボットで、教師ロボットではありませんので、それは出来かねます」  そうお答えすると、ぼっちゃんはわたしを置いて、部屋に入ってしまいました。ぼっちゃんが部屋から出てくるか、わたしを部屋に招き入れてくれるまで、ドアの前で待機です。  36分45秒後。ドアが開きました。 「学校にいじわるする子がいるの。ぼく、どうしたらいい?」 「はい、ぼっちゃん。一緒に考えましょう」  わたしは、ぼっちゃんの部屋に招き入れてもらえました。
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