8/8
前へ
/8ページ
次へ
 誰も言ってない筈なのに、あの声が天使の耳にまた届いた。そんな気がした、今度こそきっと空耳なのかもしれない。  もうそう呼ぶ必要なんて無い筈なのに、その言葉は小屋にある窓の向こう側から、多分その先にある氷の湖の方から未だ木霊し続けていた。  これは、振り向けば硝子の靴が落ちて、其処で終わりそうな最後の夢の話。  ──おいでよ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加