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えーー!? そういうフェチさん!?
そんなところを気に入ってもらっただなんて、ルカは逆に複雑な思い。
太もものミニスカサンタが、トドメだなんて。それ以外の私なんてどうでもよくて、その太ももだけで三年?? 頭が混乱してくる。
「えっとその、私ってその太ももだけなんですよね?」
「違う!」
彼がバンとテーブルを叩いたので、ルカはのけぞる。
「何年、週3回、毎回毎回、店で働くおまえを見てきたと思っているんだ。小さな身体でころころ働くおまえを見ているのが癒しだったよ。疲れている俺の顔に気がついてくれるのもおまえだったし。ただ、どうしても仕事以上に踏み込めなかっただけで」
そしてまた、彼がうつむいてぼそっと言った。
「あのミニスカサンタで、絶対誘うって決めた」
「そ、そうだったんですか……」
としか、今はいえない。
だってルカもまさかの告白に頭真っ白。
「おまえがミニスカサンタをさせられて傷ついていたから。なんとかしてあげようと思って。この店に連れてくるから、カノジョのためだけに料理をしてくれとアイツに頼んだ」
でも。誘えなかった。
と彼が言う。
「去年も。今度こそ誘うと、この店も準備して待っていてくれた。でも、おまえが友達に電話して約束しているのをスタッフルームで聞いてしまってできなかった」
そして今年――。
「だから、今年が三年目。やっとおまえを連れてこられた。バカみたいだろ。三年も。おまえのこと、週に三回も顔を合わせているのに、クリスマスにならないと、俺もふっきれなかったんだ。クリスマスでも迷ってばかりだった」
憧れていた彼がネクタイを緩めながら、照れくさそうに言った。
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