さよならを言って

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さよならを言って

「俺たちは男同士だ。しかもゲイでもない、リツには彼女もいる。俺たちが今、赤い糸に燃え上がってどうにかなっても必ず後悔する時が来る」 「そんな、だからって会わないなんて」 「俺がダメなんだ。お前を欲しがりそうで…」 いいよ…って言いかけて、俺は口をつぐんだ。 ショウゴさんの…胸を引き裂かれそうな、切なく歪んだ顔を見てしまったから。 こんな顔させたくなくて、頷くしかなかった。 ショウゴさんと会わなくなって1ヶ月が過ぎた。彼も変えただろうが、俺も喫煙所を変えた。 彼を待って、そこから動けなくなりそうで怖かった。 ショウゴさんとの件の後、俺は美香と別れた。 胸の痛みに耐えながらの付き合いは無理だった… そんなある日の休日、一人で出かけた映画館で見かけたのはショウゴさんと美香だった。 「ショウゴさん…美香…なんで二人で?」 「リツ…美香と知り合いか?」 『翔吾、行こう』 「待てよ、美香…ちゃんと説明しろよ。なんでお前がショウゴさんと?」 「待てリツ…あんたと美香はなんなんだ?」 「元カノだ。あの時話してたでしょ?」 「……美香、お前とは終わりだ。俺に近づいた意図もな…最低だな」 『そんな…翔吾』 「さっさと行けよ」 ショウゴさんの冷たい顔に美香は怒りを露わにする。 『大体、律が悪いのよ!私よりこの人を優先するから!憧れの人だって言うから気になってあの日後を着けてたの。そしたらこんなイケメンで。あなたに捨てられてイラついて翔吾を探したのよ。二人ともバカじゃないの!私みたいにいい女ほったらかして!ゲイなんでしょ!気持ち悪い」 「帰れ」 ショウゴさんの静かな怒りに、美香は顔を硬直させて、去って行った。 「ショウゴさん…ちゃんと話したい。俺たちの事」 ショウゴさんはため息を吐き、俺を見つめる。 「うち、近いんだ。来るか?」 「はい」
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