プライド

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「おう、木下。100円貸せ。今ワシ持ち合わせが無かったわ」 「ああもうっ!ヤマさん確信犯でしょ? これ、100円入れても返ってきますよね?」 「そこまでは知らん」 そう言いながら、木下が差し出した100円玉を受け取った山本が、コイン投入口にそれを投入した。 “カチャン”と硬貨が落ちる音とともに、スピーカーから割れた音が大音量で鳴り響いた。 “ペーペーポー ペーペポポー” 「おお、動いたぞ木下!」 手足を前後に揺らしながらゆっくり走り出した電動パンダカー。 その運転席に跨った山本は、童心に帰ったかのように、嬉しそうに微笑んだ。 おしまい
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