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4.
「好きにするがいい」
そう言って、その場から去ってしまった。
私はボロ布一枚の格好でその場に残される。
そして……誰かの手が伸びて来て…… 私の服をビリビリに引き裂いた。
私は、その時悟った。
ああ、もう、何もかも手遅れなのだって。
それからは地獄だった。
男達に囲まれて何度も何度も体を弄ばれる。
それは、快楽でも何でも無い。
ただただ苦痛なだけの時間だった。
でも、それでも……心の中では願っていた。
助けて、お兄様……。
心の中でそう叫び続けるのだった。
それから数日後……とある街に一人の青年が訪れていました。
その街は最近まで王都から派遣されてきた騎士団長によって管理されていた街だった。
しかし、その騎士長は何故か行方不明になってしまったらしく、街の治安が悪化してしまった。
そこで、急遽この街の警備を任されたのが、その青年である。
アドニエル・ソシエル、ルア・ソシエルの兄である。
あれからすべての罪を着せられてお家は断絶爵位剥奪と言った事が起きた。
しかし、良い事もあった……ジェルは僕を新しい騎士団長にしたのです。
そして、こう言われた。
「お前の妹の面倒は、お前が見るべきだ」
と言ってこの黒い鍵を渡された。
「何も言わずにまずは街に行きお前の妹に逢うがいい」
そう言って僕の返事も聞かずに立ち去って行った。
……まったく、あの人はいつも強引なんだから……。
僕は苦笑いしながら、街へと向かって歩いていった。
……こうして、僕はソシエルのいる街へと向かう事になるのでした。
街に着く頃には日が暮れ始めていた。
……僕はひとまず宿を取る事にする。
その道すがら僕は色々な噂話を耳にする。
……曰く、あの元騎士長が実はとんでもない悪党であった事とか、
あの元騎士長は裏組織の人間であり町の人間を支配していたとか……。
色々悪い話ばかりだった。
……僕としては、信じたくはない。
でも、この黒い鍵を渡された以上、何も無いとも思えない。
そう思いながら宿屋を探していると、何やら人が騒いでいる。
何だろうと思って覗いて見れば
……そこには変わり果てた姿になったルアの姿があった。
思わず僕はその光景に唖然としてしまう。
そこにいたのは大勢の人に囲まれているルア。
……しかも、彼女の体はボロボロになっていた。
その姿を見た瞬間に頭に血が上っていくのが分かった。
そして、気づけば体が勝手に動いていて彼女を救おうとしていた。
しかし、そんな事で収まるわけも無く
……彼女は裸のまま豚のように抱かれている。
「止めろ」
そう築けば叫んでいた。
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