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「何だ新しい騎士団長様では無いですか」 「この女は元騎士団長様が雑にら扱っていいと言ったんですよ」 その言葉にイライラしてくる。 「彼女は今日から俺の監視下に入った、引き渡せ」 「しかし」 「これは、王子の命でもある」 そう言いながら指令書を見せる。 兵士達はたじろぐとそのまま差し出してくれる。 「でも、アドニエル騎士団長、その女は、もう、自我なんてありませんぜ」 「そんなのはみればわかるよ」 そう言いながら抱き上げると歩き出した。 とりあえず黒い鍵で悪部屋に連れて行くと自分の騎士団長の屋敷の地下の鍵がそうだったので地下のベットに寝かせた。 扉を閉めて電気をつける。 「大丈夫か? ルア」 そう言いながら優しく話すが怯えていた。 「あ、貴方が新しい、騎士団長?」 「ああ、そうだ、アドニエル・ソシエル君の兄だよ」 「に、兄様?」 「ああ、兄様だ」 そう言うと、ルアは安心したように笑みを浮かべる。 そんな笑顔を見ると安心する。 やはり……妹は笑っている方が良いからね。 しばらく安静にしてから、彼女から事情を聞く事にした。 どうやら、あの元騎士長が失踪した理由をルアが知って居るようだった。 それに……ジェルが何か良からぬことを企んでいる事も。 それを聞いた時に、ふと思った事がある。 ――何故ジェルはこの事を知っていた? そもそも、ジェルがルアの面倒を見るように言ったのは偶然なのだろうか? もし、ジェルがルアの事が前から好きで今回の事を計画したとしたら? いや、まさか、そんな事は……。 そう思って居たら、ルアがこう言った。 「兄様は、私を前の騎士団長様みたく調教する為に派遣されたのでしょ?」 ここで初めて話が繋がった。 この街は王国の管理下にある。 そして、騎士団長は王子の直属の配下になる。 つまり、ジェルの思惑がわかってきた。 しかし、わからない事もある。 それは、どうしてここまでするのかと言う事だ。 そして……どうしてジェルは僕が此処に来るのがわかったのか? そんな事を考えているうちに……僕は眠くなって来た。 そういえば、昨日から一睡もしていなかったな……。 そんな事を思いながら……僕は眠りに落ちて行くのだった。 次の日の朝……目が覚めると心配そうにルアが眺めていた。 「兄様眠い?」 「ごめん、久々に安心して寝たよ、おはよう、そうだルア」 そう言いながらそっと微笑むと 「どんな調教されていたの」 その言葉に思わず吹き出しそうになる。 やっぱり気づいていたか……まあ、仕方ないよね。 「えっとね。、その、隠語とか……感じるの我慢したり」 そう言ったら、ルアは顔を赤くしている。 そんな反応されると、こっちまで恥ずかしくなる。 そんな風にしていたら、急にノック音が聞こえて来た。 慌てて二人で服を着る。 そして、玄関に出ると一人の男が立っていた。 その男は僕達を確認するなりにっこりと笑う。 そして、丁寧にお辞儀をする。 僕は男を観察する。 年齢は30代くらいで、背が高くガタイも良い。 顔つきは優しい顔立ちをしている。 一見すると普通の人に見えるが、腰に下げている物を見るに騎士だと分かる。 おそらく、彼はこの街の騎士なのだろう。 そして、その服装は……僕の見知ったものだった。 「どうした?」 「ルアの、今日の調教メニューです」 「ありがとう」 そう言いながら管理表を見つめる。 「こんな事を待て位に血していたのか?」 「ええ、王子命令ですから」 「……兄としては嬉しくないな」 「心中お察しします、ですが職務です騎士団長」 「割り切るさ」 そう言うと扉を閉めた。 鍵をかけてメニュー表を見つめる。
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