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6.
気付けば溜息が漏れていた。
可愛い妹にこんな事はしたくないが、自分が王子の信頼を勝ち取らなければ騎士団長を変えられる。
他人に障らせたくはなかった。だから……こうするしかなかったのだ。
僕はそう自分に言い聞かせて、朝ご飯を作り始めるのだった。
朝食の支度を済ませて、二人を呼ぶと 妹も喜んで食べてくれた。
そんなにお腹空いてたんだと思うと少しだけ申し訳なくなる。
その後、メニュー表をもう一度見た。
とりあえず一番上からしようと思い妹のルアに近づくとルアはビクッとするが気にしない事にした。
僕はそっと頭を撫でると
ルアは不思議そうな表情を浮かべていた。
僕はそのまま耳元に近づいて行く。
ルアはこれから何をされるのかわからなくて怖いのか僕に抱きついてきた。
そんな妹に思わずドキッとして来るが……
心を落ち着かせて作業を始める。
まずは、首輪をつけさせて貰う。
これは奴隷用のアイテムなので問題ないだろう。
そして、リードをつけて外に出す。
散歩をする事にした。
僕はリードを持ってルアを外に連れ出す。
外には犬を連れた人や猫を抱えた人がたくさんいる。
そんな中で……ルアは不安そうに僕の手を握るのだった。
しかし、その目は怯えていないのは明らかだ。
むしろ期待感で胸が膨らんでいるのがわかる。
まったく、本当に淫乱な体だな……。
そんな事を考えながらゆっくりと歩く事にした。
ゆっくり歩きながら色々な人を見てみる事にした。
皆一様に幸せそうにしている。
ただ単にペットと戯れている人にも見えるのだが……よく見れば違う事がわかる。
たとえば……子犬を抱いた人が歩いていると他の人が羨ましそうに見つめている。
でも、その人は子犬を放さない。
多分飼い主がいるんだろうけど、
それでもその人は満足そうにしてるのが分かるんだ。
きっと、この人達は家族なんだろうと思う。
そして……隣にいる、ルアを改めて見て見る。
彼女は俯きながら歩いている。
僕は彼女に話しかける事にしました。
「妹よ、兄様との散歩はいいか?」
そう聞くとルアは上目遣いにこちらを見ると 頬を赤らめながらこう答えるのでした。
「はい、兄様」
僕はそんな返事を聞いてほっとしながら歩き続けるのでした。
それから数時間ほど経った頃…… ようやく屋敷に戻って来た。
途中で疲れたのかルアは寝てしまったので、仕方なくベットに寝かせると……すぐに目を覚ます。
どうやら調教の影響がまだ残っているようだ。
僕はそんな妹をじっと見つめた。
そして、ある事に気がついた。……ああ、なる程そういう事なのか。
僕は心の中で納得した。
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