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妹は僕を溺愛してくれている。 それは疑いようもなかったし、妹だって気付いている。 けれど。それでも、僕は妹に好かれる努力をしなかった。 「兄様、私、兄様が大好きです」 いつも、彼女は私に向かってそう微笑んだ。 眩しい程のその笑顔で……。 しかし、その笑顔に次第に陰りが見え始める。 それは、ある熱い夏の事なのでした。
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