第1章

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振られるたびに落ち込むけれど、すぐ次に切り替えられる。 切り替えの早さだけは、誰にも負けないかもしれない。 「まゆの場合はただ彼氏が欲しいだけでしょ。それで?草凪さんのどういうところが好きなの?」 「大人ーって感じでかっこいいじゃない!」 「本当に中学生と同じような解答するわね」 美子は呆れた表情を通り越して、憐れんだ表情を浮かべていた。 わたしは今まで好きになった人は外見から入ることが多かったけれど。 もちろん好きになった理由はそれだけではない。 ただ、少し優しくされたり笑顔を向けられればすぐに好きになってしまうのだ。 ここに初めて来て、草凪さんに優しい笑みを浮かべられた瞬間にはすでに恋に落ちていた。 「そろそろ食後の抹茶アイスお出ししましょうか?」 「はい!お願いします!」 美子は目をハートにしたわたしを冷めた目で見つめていた。 でも、草凪さんを前にハートを出さずにはいられないわたしは、そんなこと気にしない。 「お待たせいたしました。抹茶アイスです。あと、伝票こちらに置いておきますね」
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