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「ねえ、美子。明日映画でも行かない?」
「ごめん、まゆ。今日から彼氏が泊まりに来るのよ。明日と明後日は彼も休みだから、1泊2日で旅行に行ってこようと思ってね」
「いいなあ、彼氏。わたしも彼氏と旅行行ってみたい」
「まゆは可愛いんだから、おとなしーくしてれば彼氏なんてすぐできるわよ」
「おとなしくって……それ、わたしが1番苦手だってわかってるくせに」
「あははっ、じゃあ、私は先に帰るわね。彼が来ちゃうから」
「うん、また月曜日に」
わたしも美子のように彼氏がいたら、土日にデートしたりできるのに。
ずっと一人のわたしは、友達を誘ったり一人で映画に行ったりカラオケに行ったりするくらいだ。
あとはずっと家でゴロゴロして過ごしている。
仕事は充実しているのに、私生活が充実していないのだ、わたしは。
草凪さんが彼氏になってくれたら、どれだけ幸せだろう。
そんなことを考えながら帰宅していると。
「あの、すみません」
見知らぬ美人な女性から声をかけられた。
何かの勧誘かしらと思ったのだけれど、そうではなくて。
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