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警視庁のネットワークで、殺害された弁護士の裁判記録を探す昴。
淳一と咲は、昴が集めた飲み屋街の監視カメラ映像で、紗夜がプロファイリングした容疑者を探していた。
「あれ?おかしいな…」
「どうした、昴?」
眠くなり掛けていた淳一が、わざと反応する。
「昨日調べた時にはあった、裁判所のデータが無いんです。それに、殺害された弁護士と判事が、最近携わった記録も全て」
「勘違いじゃねぇか?」
「確か刑事裁判だったので、結果はどうあれ、検察庁には保存されてる筈なんです」
「証拠隠滅か?」
「可能性はあるわね。公安が気付いていたなら、検察側も気付いてるはず。富士本部長、確か最高裁に知り合いがいましたよね?」
「ああ、葛田判事だが?」
「殺害された判事の案件を、問い合わせてくれない?最近の刑事裁判でいいので」
「分かった。だが忙しいやつだからな彼は」
言いながら、携帯を取り出す富士本を見届け、出て行く咲。
「どこ行くんですか、咲さん?」
「どんだけ探しても、プロファイルに合うキン肉マンが見つかんないのよね。眠くなる前に、TERRAの見晴らしいいカフェで、気晴らしでもしてくるわ」
(気づいてやがったか💧)
「す💦昴、あの映像で間違いねぇんだよな?」
「はい。CAPS(犯罪分析予知システム)でも、条件に合う人は見つからなかったんです」
「おいおい、あれで見たなら最初にそう言えよ!俺らの目が、あのシステムに勝てる訳ねぇだろうが」
「いえ、衝動的に殺意を抱く場合は、予知出来ません。必ず映っているはずなんです。先入観持たない様に、黙っていたんですよ」
「ん?」(淳一)
刑事課に咲が戻って来た。
スーツ姿の年配男性を連れて。
「おやおや、これは哀川さん」
富士本が直ぐに挨拶に来る。
「部長はご存知だったんですか?」
「はい。富士本さんとは長い付き合いです。今日は、年末のご挨拶兼ねて、先日派遣した部下の様子を伺いに来ました」
「確か、鑑識部の新しい取り組みでしたね。一つ上でして、あの奥の階段から行けますので」
「ありがとうございます。分かりました。今後ともよろしくお願いします。綺麗でお優しい部下がいて羨ましい。咲刑事、忙しいでしょうから、ここで結構ですよ。では失礼します」
にこやかな笑顔で、奥へと向かう。
「綺麗で、なになに、お優しい?」
「うるさい❗️」
茶化す淳一を睨む咲。
「彼は翼工業の社長さんだよ」
「翼工業って、唯一の国産ヘリコプター製造メーカーですよね?」
さすが物知り昴。
「警察、消防、病院などのヘリコプターは、ほとんど彼の会社製だよ」
「それが何で鑑識部へ行くのよ?」
「知らないんですか咲さん?翼工業のドローン技術は世界一で、国内トップメーカーですよ」
「だから、それがどうしてって⁉️」
「咲、お💦落ち着きなさい」
ただでさえ、慣れない映像調査で、『キン肉マンを探せ』にイラついていた咲であった。
「数ヶ月前から、鑑識部でドローンを使って捜査する取り組みが始まっててね」
「ドローンで捜査…か。何かの映画で見たような気もするわね」
「例えば、立て篭り事件など、近づけない所や、危ない場所の観察に使うんですよ。確か、東京メトロでも導入してて、トンネルや橋などの点検にも、わざわざ足場を組んで人が見なくてもいい方法として、広がってるんです」
「なる程…」
豊川+ドローンを想像する咲。
(ないない💦ないわ〜💧)
「部長、そんなことより、どうでした?」
「調べて、2時間程で連絡をくれるそうだ」
それを聞きながら、再び出て行く咲。
首を振りながら。(ないわ…)
降りて来たエレベーターが開く。
「あら、咲さん!」
「何なのよ全く…💧」
再び刑事課に戻って来た咲。
隣に、トーイ・ラブを連れて。
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