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*愛が重たい*
これまで、唯斗に「好きだよ」「愛してる」と普通に言えていたが、今はなかなか言葉にできなくなっていた。このままでは、だめだと思い、唯斗と二人きりの時間を設けた。
「唯斗、いつも私を心から愛してくれて、ありがとう。すごく嬉しいよ。でも、どこにいるのも何をするのも逐一連絡したり、全ての行動を唯斗と一緒にするのは、ちょっとつらい・・・」
そういうと、唯斗は俯きながら、
「ごめん。自分でも、瑠衣を苦しめているんじゃないかって思ってた。けど、止められなかったんだ。瑠衣のことが、好きで好きでたまらなく好きなんだ。瑠衣は俺の彼女だってわかっているけど、瑠衣はどっかに行ってしまうんじゃないか、誰かにとられるんじゃないかって不安だったんだ。だから、瑠衣のことを束縛してしまった。本当にごめん。これからは、もう少し考えるよ」
それから、唯斗の束縛は落ち着いた。でも、「好き」「愛してる」となかなか言葉にはできなかった。
唯斗の束縛が落ち着いてしばらくした時、唯斗から
「今日、俺の家に泊まりに来ない?」
と誘われた。私は、唯斗の家に泊まったら何かが変わるかもと思った。親には、友達の家に泊まると連絡した。それから唯斗の家でのんびりゲームをしたり、映画を観たりして過ごした。次第に良い雰囲気になり、そこで初めてお互い、肉体的に愛しあった。
「瑠衣、愛してるよ」
そう耳元で囁かれながら、私は身も心も満たされた。やっぱり、唯斗が好きだ。好きなんだ。私には唯斗しかいない。
「私も、愛してる」
でも、この幸せな感情は一時的だった。行為が終わり、気が付くと私は、流のインスタを見ていた。あの写真の投稿後、新たに青空の写真が投稿されていた。
その青空はどこか悲しく見えた。
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