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「さすがだねぇ。そういうとこ好きだよ。」
「私に怒られたときは、ドン引きしてたくせに。」
「そのときとは置かれてる立場が違うんでねぇ。」
「まぁ…それもそっか。」
「それじゃぁ行こうか。」
「もっちろん。」
ジルが歯を見せて笑うとそれに応じるようにミシェルも眉をひそめて歯を見せて笑う。
「…尚更拐いたいなぁ。ね?イルゼ。」
「ん。」
「いじめたもん勝ちってことだね。だったら尚更手段選ばなくてもいいよね。」
「ん。」
「拐えるもんなら拐ってみな。」
右手で長い前髪をかきあげて閉じていた右目を開く。
彼女の目は“変わっていた”。
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