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「っ……!?」
「ダメだよ。いくら気絶させたからって、油断しちゃ。」
「先輩…?!」
「ジル〜。一つ言っておくね。目に頼りすぎない方がいいよ。それが今日初めてなら、相当な疲労感が後からくるよ。」
「…なら、早く終わらせなきゃ、ですね?」
「そういうこと〜。」
「邪魔。どいて。アンタに興味なんてない。私が、私達が興味あるのはジルとホックなんだけど。」
「ごっめーん。私、退いてって言われて退くほど、素直じゃないんだ〜。あと邪魔なのはそっちじゃん。」
エファセの顔から笑顔が消える。いつも死んでいる目からは怒りが漏れ出ていた。その目が少女の気を変えた。
「もしかして…貴女…指名手配者ぁ?」
「…さぁね?」
「エファセ・マイトリー。異時空人。時空干渉の容疑でボスから指名手配されてたんだったね〜。逆らわなければ、こんなことにもならなかったのにぃ。」
「…あの腐れジジイに従うより、世界を変える方がよっぽどマシだってば。私は“あの裏切り者”とは違うから。てかさぁ…そっちの方がよっぽど非道人間じゃなぁい?」
エファセは再びにこりと笑って少女の拳を握って離さなかった。少女は、歯を食いしばる。そしてエファセの腹に向かって蹴りを入れようとする。エファセは何もしなかった。
そう、何にも。
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