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「愚か、かぁ。」
「ん?」
「愚か、かもなぁ。私らは若いし。まだまだ成長中だ。未熟で当然。熟れてる若者なんていねぇんだわ。ていうか、テメェも大して熟れて無いだろ。」
「おお、大口を叩くじゃないか。嫌いじゃないよ。そういう馬鹿げたことをする若者は。騙して利用できるからね。」
「…私を利用できる?…馬鹿げた大人ですこと。…利用なんてされませんよ、反吐が出るほど嫌な人間に。」
シェイネはにこりと微笑んだ。彼女らしくない話し方と声色であった。
「そうかいそうかい。なら、それは遺言として受け取っても構わないということかな?」
男の口元が緩む。フードをかぶっているせいかあまり見えないがそれだけは認識できた。シェイネの顔から笑みが消える。
「まさか。死ぬ気なんてさらさらない。」
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