#65『バカンスセラピー』

3/11

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/634ページ
一方、その頃ミシェルはジルと一緒にスパーリングをしていた。 「なんで…スパーリング…!?」 「スタミナ、動体視力、瞬間的な打撃の重さを鍛えるためさ。」 「しゅ、何?」 「瞬間的な打撃の重さを鍛えるためさ。要はパワー。」 「な、なんで!?」 「早けりゃいいってもんじゃないよ。たまにはパワーで、ねぇ!」 「うわっ!?」 バランスを崩したミシェルをジルが支える。ミシェルが照れ臭そうに笑う。 「すまないねぇ。つい強くやりすぎてしまった。こうやってスパーリングできる相手っていうのはそうそういなくてねぇ。」 「あはは…。私も筋力とかないから、なんていうんだろう…力の差を実感できて、頑張らなくちゃって思うよ。」 「頑張りすぎも禁物だよ?」 「分かってるよ。私も人間だよ。ちゃんと怠惰になる時だってあるよ。」 「興味深いねぇ?どんな感じなんだい?芋女子になったり?」 「え…私そんなにダサいイメージある?」 「まさか。ギャップ云々を考えてのことさ。」 「そっか…よかった。」 「休憩しようか。冬にやるものとしてはいい感じに代謝も上がるだろうし、いい感じに汗もかいてあったまるだろう?」 「うん。」
/634ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加