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三人と“一人”は見たこともないような笑みを浮かべていた。
その笑みにジルとミシェルは慄いた。キラーとエファセは顔をしかめて“彼女”から距離をとった。
“彼女”が誰なのかは分からなかった。フードをかぶっていて口元しかはっきり見えなかった。しかしその笑みが四人を戦慄させていた。
ミシェルくらいの背丈の黒ずくめの少女は走るのをやめた四人に近付く。何も言わずに。四人は少女の動きに集中する。ジルの右目周辺はひしひしと軋むような痛みを訴えた。ミシェルの額は殴られた後のような痛みを訴えた。
「何か用?」
「……あぁ、君…確か組織で散々抵抗した挙句薬をやらされて結局洗脳されたけどあっさり助かっちゃった人、だったね?」
「……誰、あんた。」
「覚えてないの?おめでたい頭だね。…今は機嫌がいいから教えてあげるよ。私、君を拐った。ちょろかった。年下の私にあっさり倒されて…。恥ずかしくない?」
「…私が仮にあんたより弱いとしよっか。弱い相手に不意打ちはないんじゃないかなぁ。」
「遊びでやってる訳じゃない。こっちは本気なの。だから不意打ちも卑怯も関係ない。それに、私弱い人を甚振るの好きだから。」
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