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ズキン。二人の宿印が疼いた。思わず顔を歪めて一歩後退する。その隙を少女は見逃さなかった。
少女が素早く前に出る。咄嗟にキラーとエファセが二人を庇うように前に出て構えるがそこに少女の姿はなかった。二人が目を見開く。
「よく生きてこれましたね?」
二人の背後から声が聞こえる。先ほどとは違う声だ。先ほどより少し低く落ち着いた声に冷たい声色。
直後二人が倒れる。首に手刀を食らったのだろう。
「ん、上出来だね。」
「ん。」
「さてと。お二人さん。大人しく着いてきてくれないかな。私たちは二人を傷つけたくはないの。ねぇ?」
「うん。」
「ってことだからさ。来てよ。大丈夫。怖いことはしないよ。すぐに終わるよ。死ぬ思いもしないよ。ていうかそんなことしたら怒られちゃうし。」
「ん。」
「言ってることがさっきと全然違うじゃん…。」
「…ごっめーん。なぁに言ってるか分かんないなぁ!」
片方の少女が怯えながら意見を述べたミシェルめがけて拳を突き出すがそこにはもうミシェルはいなかった。
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