純白の姫。名をソフトクリーム

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純白の姫。名をソフトクリーム

「好きなものって何かなぁ」と、自分に投げかけた時、一番に出てきたのがガシャポンとソフトクリームだった。  おもちゃと食べもの。ザ・お子様。  そんなわけで記念すべき第一弾はソフトクリーム。大好きだ!  すっごい好きなのに、悲しい因果で、お腹が弱い。  冷たいものを摂取すると、たちどころに腹痛に見舞われ、トイレに呪縛される身となってしまう。(いきなりなんて話題。失礼しました。)  従って、氷の化身、かき氷は論外。  アイスもほぼ、リーサル・ウェポン。  31アイスとか美味しそうだなぁって思うのに、夏で体調の良い時のみ、と、ものすごく時を選ぶ。  猛暑日なんて夏バテしてる。体調は不調。  おかげで今年は食べてない。冬は食べれない。あれは夏しか手が出せない。限定条件、厳し過ぎ。  そうなると、空気含有率が高く、冷たさがマシなソフトクリームが、比較的安全な冷菓として残る。  不純物が少ないバニラは、種類(テイスト)の中では冷たい部類。  だけど、バニラが美味しい。ここは譲れない。  大きなソフトクリーム、決して単独では(いど)めない。  ミニ・ストップのソフト、必ず人と分ける。ひとりで完食出来るのは、マクドナルドのミニソフトくらい。  好きなんだ。  好きなんだけど、許されない。  悲しい片恋物語。これはまるで、高貴な姫に憧れる下級騎士ではなかろうか。  冷たいソフトクリームには、いつもそんな熱い想いを抱いている。  高原の濃厚ソフトクリームあたりになると、私にとってはもう、他国の女王的存在となる。  到底手が出せない。    もし口づけでもしようものなら、この呪われた身は至福の一時(ひととき)と引き換えに、腹痛に沈むことになる。  それでも幸せな思い出は、決して消えることはないだろう。そう思うのに、いつも眺めるだけで終わる。意気地なしでごめん。    冷たくない(けど美味しい)パフェが食べたい。これは、私の永遠の夢のひとつである。  誰か開発してくれないかなぁ……。
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