贅沢時間。パジャマ

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贅沢時間。パジャマ

 予定のない休日。怠惰な時間をパジャマで堪能。  早く着替えなきゃなぁと思いつつ、ついネットなどで時を費やす。  先日、あまりの寒さに「いつものパジャマでは無理!」と断念。新調してみた。  今まで買ったことのない、ふわもこパジャマ。  ポリエステル100%、マイナス電気を帯びやすい素材。  静電気愛され体質の私は、この(しゅ)のパジャマはパチパチするんじゃないかと手を出せないでいた。  脱ぐ時髪が、電気実験に付き合いそうだし。  なのだけど、タグにあった大きな文字「静電気防止」。  それを信じて買うことに。で、今日に至るわけだけど。  NO(ノー)静電気! 実に快適。しかも暖か! ふわふわ肌ざわりも気持ちイイ。  良き買い物が出来たと満足し、パジャマ時間を満喫しているわけである。  ふふふ、こういう贅沢時間をフランス語で“リュクス”というらしい。  リュクス、キャラの名前としてカッコイイけど、単語有名すぎて使えないな。  そんな妄想に(ひた)っていると。 ――ピンポーン! (!! 宅急便? 何が届いたん? 予定はないはずなのにっっ)  マズイ、マズイ、マズイ!  思い切り前開きボタン、これ、どう見てもパジャマにしか見えないっ。  ああああ、部屋着見えするタイプにしていれば――。  それ以前に、さっさと着替えていたら―――!!  困惑と後悔を共に返事をし、ドアノブに手を伸ばす。  いきなり指先で触ってはいけない。  たまった電気は一点集中で流れやすいから、バチッとくる。  指は静電気ノーガード。  怖くとも、まず手のひらで触れ、放電せねばならん。勇気を出せ、自分!  扉を開けたら、ニンジャのように素早く押印、荷を受け取る。  パジャマを見せない作戦で!(無理だよ)    突然の緊迫展開。  まったりした時間だったはずなのに。  起きたらパジャマは着替えよう。  そう反省した体験談、完。  でね、このもこもこふわふわパジャマが今日の「推し・好き」!  導電性繊維とか織り込まれてんのかな? 科学の進歩ってすごいね! ********  ラグジュアリーが最高の贅沢、リュクスは更にその上に付加価値をつける言葉……間違っても、パジャマ・タイムじゃないから!(本文へセルフ・ツッコミ)
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