私はママが大好き

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私はママが大好き

私はママが大好き。 すごく優しくて、作ってくれる料理はいつも美味しくて、私は本当にママの子供に生まれてきて良かったって思うの。ママが昔好きだった音楽バンドを見せてもらったり、ママが大好きなゲームを一緒にしたりもした。つい最近、学校の懇談会があって、「ハナちゃんママはいつも優しいね。」という言葉を何度言われただろうか。大好きなママは素敵な笑顔だった。 でもこれは一つ目の顔なの。 大好きなママは気持ちの浮き沈みが激しい、いわゆる情緒不安定だ。さあ私、私の耳はもう聴こえないの。何も考えちゃだめ。そうじゃないと死にたくなるの。「お前なんて死ねばいいのに!!」「せめて事故で自殺して。そうすれば保険金くらいは残るでしょ。」「この役立たず、死ねクズ!!」ああ、もうやめてよママ。もう何も言わないで。なんで私はママが好きなんだろう。いや、本当は好きじゃないのかもしれない。殺したくなるほどの憎しみを隠すために好きで埋め尽くして誤魔化しているのかもしれない。ママは機嫌を損ねると私をもので殴りだす。今日はハンガーで殴られた。また青いあざができてる…… 涙が溢れ出す。ああ、もう死んでしまいたい…。なんでこんなにも苦しいのかな…。 私はママが大好き。 もしかしたら嘘かもしれません。私はママの「優しいとき」だけに依存し、洗脳されているのかもしれません。 ママは良いお母さんですか? ママは悪いお母さんですか? 私にはもう分かりません。 早く大人になりたいです。気づかない憎しみが溢れて大好きなママを殺める前に。
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