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27番の奇跡
六限目のホームルームの時間は席替えだった。
いつもならみんな疲れ切って寝ている人がいるくらいなのに、教室の中はかなり盛り上がっていた。
前に置いてある箱からくじを引き、出た番号を確認して黒板に書かれた席に移動するというシステムだ。
くじを引き終えた人たちは「席一番前とか最悪!」とか「やったー! 席近い」など口々に声を出していた。
席替えが楽しいのはきっと仲の良い友達と席が近くなりたいとか、好きな人の近くの席になりたいと言った願望があるからだと思う。
誰の近くになるかわからないドキドキは高校生になっても消えないものだ。
とは言っても俺は好きな女の子がいるわけでもないし、近くに話しやすい友達が一人でもいてくれたら充分だ。
そんなことを考えながら俺はくじの入った箱の中に手を入れて一枚の紙を掴んだ。紙を開けると「27」と書かれていた。
席の位置は教室の真ん中辺りだった。
後ろから誰かに背中をトントンとされた。
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