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プロローグ
恋に落ちる時はいつも突然やってくる。
一年生の頃大好きだった彩絵という女の子に対する恋心はもう捨てたはずだった。
彩絵のことが好きだという気持ちをなくすために俺は今までいろんな女の子に恋をしてきたのだ。
気を紛らわすために無理やり恋をしたって当然その恋は実るはずもないし、彩絵に対する想いも消えることはなかった。
二年生でも彩絵とは同じクラスになった。
とは言っても関わりは全くなかったし、彩絵もきっと俺のことなんて意識もしていないと思う。
そのまま時は何事もなく流れて行った。
俺が彩絵に二度目の片思いを自覚したのは少し肌寒くなり始めた九月だった。きっかけは確かあの席替えからだと思う。
彩絵との会話はやっぱり楽しくて、彩絵の笑った顔が好きだった。
いつしか俺はまた彩絵のことが好きなっていた。
それからは彩絵のことで頭の中がいっぱいの毎日。
勉強も部活も頑張ろうと思えた。
彩絵に対する恋心は俺に生きがいを与えてくれた。
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