第一話

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3人がグライオンを追いかけているのをベンチに座りながら眺めていた。 「俺の言葉の真意、アイツらに伝わるかな?」 俺はそう呟いた。 するとボールからブラッキーが出てきた。 「お、どうした?」 と俺が言うとブラッキーが俺の大腿部に乗ってきた。 「おー、よしよし。」 俺はブラッキーをわしゃわしゃした。 すると、 「おやおや、問題児三人衆というハズレを引いたタカトさんじゃないですか。」 と言う声が聞こえてきた。 あの身なりからして、アイツも俺と同じく卒業生の3人を育成してるやつだろう。 しかし、 「?お前、誰だっけ?」 俺の記憶には全く存在しないんだよなコイツ。 こんな強烈な奴なら会ってれば忘れないだろうに…。 って事は俺達は、少なくとも俺からしてみれば初対面ってやつだな。 「な!?このヌマセイカを覚えていないのか!?卒業生の成績トップ3を受け持っているヌマセイカだぞ!」 「ヌマセイカって…、並び替えたら噛ませ犬じゃねえか。で?その噛ませ犬が俺達に何の用?冷やかしなら帰ってくれ。」 と言った。 「噛ませ犬じゃない!ヌマセイカだ!問題児三人衆を受け持つとは、タカトさんも大変ですねぇ?俺の受け持つ3人には一つだけの事を頭に入れさせてる。」 「へぇ…。」 「聞きたいか!?聞きたいだろう?聞かせてやろう!それは、任務を遂行する為なら他を蹴落とせ。それが例え友達や仲間、同じ班員でも、とな!任務を遂行出来ないやつはクズ呼ばわりされるからなぁ!」 この世界、ポケモンレンジャーのように任務がトレーナーに依頼されるのも珍しい事じゃない。 俺はアイツらにも何れは任務をさせる気でいる。 任務には俺ら自身の体力も必要だからな。 グライオンを追いかけさせてる理由の一部でもある。 まあそれはおまけ程度ではあるが。 それよりも俺は猛烈に頭に来ている。 「たしかに任務を遂行出来ないやつはクズ呼ばわりされるな。でもな。」 俺は一息ついて、 「仲間を大切に出来ないやつはそれ以上のクズだ。お前は俺の逆鱗に触れた。俺の受け持った部下をハズレ呼ばわりしたというな。アイツらはハズレじゃねえ。」 と言うと、グライオンが俺の隣に来た。 どうやら鈴は取られたみたいだがグライオンは笑顔である。 (…そうか。アイツらはちゃんと俺の言葉の真意が伝わったみたいだな。じゃあヌマセイカを倒したら【俺からの】プレゼントを渡すか。) と思っていた。
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