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「ほうかほうか。して、その方は何を望んでおられるのじゃ?」
長い顎髭にツルツルの頭、真っ白な着物を纏ったこの神社の神様が獅子乃と狛伎に訊いてきた。
「はい、何でもりんばあちゃんは、旦那さんを亡くして田舎で一人暮らしになってしまうのを懸念した娘さんが、呼び寄せて同居しているらしいんです。で、一緒に住んでいるお孫さんがなかなかヤンチャな人で、牛乳バーって仕事なんですがとにかく危ないことや目立つことをしてばかりいるらしいんです」
「ほうかほうか、最近の牛乳バーは恐ろしいのう」
「違うっすよ、獅子乃。牛乳バーじゃなくて、ユーチューバーっす」
「何だって良いわよ。それで、そのお孫さんが人に迷惑をかけてることに気がついて欲しいんですって」
神様は立派な顎髭を触りながら、ニコニコとした笑顔を浮かべて口を開いた。
「ほうかほうか。香枝珠りんさんのおかげで、この神社の信仰力も保てておるし、御礼はせんとなぁ」
「100%、叶えてあげて欲しいっす」
「ダメよ。神様、120%叶えてあげて」
「ほっほっほ、120%とは難しい注文じゃな~」
こうして、りんばあちゃんへの御礼、神頼み120%叶えます!計画が走り出すこととなった。
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