追いかけてくる異変

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「ああああああああ!」と俺は布団を払いのけ、激しく起き上がった。  ドクンドクンっと自分の呼吸が激しく脈打っているのが分かる。  夢? 俺はいつもの自分の部屋を見渡した。  ベッドの脇には昨日寝る前に乱暴に脱いだスーツが脱ぎ捨ててあり、机の上にはビールの缶が二本とウイスキーのボトルが転がっていた。  どこにも異常はない。ベランダまで行くと、いつもと変わらない朝が広がっていた。 「はあ…疲れが溜まっていたのかも知れないな…」  俺は部屋の壁にぶら下がるカレンダーを見た。  唯一、給料日だけは休みで、あとは書き殴ったようにシフトの時間が休みなく刻みこまれていた。  会社の後輩が三人も続けて辞め、上司はすぐに人を雇うから安心してくれと言っていたが、一向に新しく人を雇う気配がなかった。  不満は積もりに積もって、悪夢として表れたのかもしれない。  そう思って、ベランダに背を向けた時だった。  ズコーン! ズコーン!  背筋に悪寒が走った。  ゆっくり、もう一度窓の外に顔を向けると、夢の光景と同じように遠く方から地面が崩れ去っていた。
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