キャンプ⑵

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 今日の暑さと先生のハーフパンツが乾きやすい生地だったようで、思ったより早く乾きそうだ。 「少しは乾きましたか?」 「まぁ……ズボンはな。まだパンツはやばいけどな」と言ってははっと笑う。 「あれー春?」 声の方を見ると、ショートカットでモデルのように手足の長い、ボーイッシュだけど、とても綺麗な女の人がいた。 「やっぱり春だー」 「静佳(しずか)?」 先生とその女の人は、顔見知りのようで親しげに話をしている。 「かわいい子、連れてるじゃない。もしかして、彼……」 「静佳っ!紹介するよ。真野匠。昔のオレの教え子で、今の飯友達みたいなもんかな。で、真野。こっちは安藤静佳(あんどうしずか) 。大学の時の友達だ」 先生は慌てた感じで、静佳さんを紹介してくれた。 「ふ〜ん……元教え子なんだ」 「あ、はい。高3のときの数学の先生でした」 静佳と呼ばれた美人の女の人にニヤニヤとした顔で見られ、ちょっと居心地が悪い。 「静佳ー。もう待ってよ」 そう言ってやって来たのは、静佳さんより小柄で美人というよりも、可愛らしい感じの女の人だった。静佳さんと同様、先生の大学時代の友達で、高畑柊子(たかはたしゅうこ)さんといった。 「えー!夕花里も来てるの?会いたい!!」 「じゃあ、コテージに戻るか。真野、悪いけどいいか?」 「あ、はい。大丈夫です」 まさか、ダメとは言えない。もう少し先生と2人でいたかったなと思いながら、コテージへと戻る。 ボクは柊子さんと、先生は静佳さんと並んで話しながら戻っていたけど、静佳さんと先生の距離感は近く、静佳さんは先生と腕を組んだり、耳打ちしたりしている。先生は、からまってくる腕を振りほどいてはいたけど、本気で嫌がっているわけではなく、仲の良さを見せつけられているようで、胸が痛む。 「真野くん。ごめんね。静佳、からかってるだけだけら……」 「えっ……」 そう言うと、もうそれ以上は何も言ってくれず、ただニコニコ笑っているだけだった。なんだが、柊子さんにはボクの気持ちが見透かされているようだ。
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