打ち切りまでの経緯

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「ええっ!? 『もう少しだけ待ってくれ』って……そりゃ無茶だよ!」 「ごめんなさい根逗(ねず)さん。ラストページだけ気に入らないのでどうしても描き直ししたいんです」 「無理だってば! 入稿まで時間無いんだよ!」 「もっと読者を引き付ける終わりかたにしたいんだ。お願いです。もう少しだけ。もう少しだけ待って下さい!」  そう懇願しつつ机に向かう彼は最近デビューしたばかりの新人マンガ家。  一切の妥協を許さない濃密な絵。王道だが細部までこだわった世界観とキャラ設定。そして毎回読んだ者に驚きと衝撃を与える奇抜なストーリーで、新人とは思えぬ才能を発揮。  その漫画にかける情熱が認められ、いつしかマンガ家の初連載作、“オウガボウル”は固定ファンがつき、掲載雑誌である“少年ジャンパ”、の人気作品へとなった。
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