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次の見開きには〈能力プラン〉と書かれていた。
『続きまして、動体視力や身体能力など様々な感覚・能力を補うプランでございます』
説明の項目には星印を打った箇条書きで、速読、運動能力、空間認識力、と幾つか例題のように挙げられている。
しかし、外交員が挙げた動体視力という単語がどうにも引っ掛かった。
「視力とか聴力はダメなんですか?」
挿絵を見るに、運動が出来るようになったり、方向音痴までマシになるのは便利そうだが、この数年の健診でもう少し視力が落ちたら眼鏡かコンタクトをと忠告を受けている僕としては、動体視力よりも視力を補いたい。
問い掛けに対し、外交員は
『はい、視力の回復は保証の対象外となっております』
僕の心の声を読み取ってか、視力にだけ言及した。
理由を訊ねると、答えは明確だった。
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