彼女を攫った日の出来事

9/11
前へ
/11ページ
次へ
運転手の男は額から血を流しつつも、なぜか俺を俺達を見て笑みを浮かべていたのだ。  その表情は不自然な程に柔和であり、あまりも不気味な表情であった。  それが、俺は恐ろしかった。  そして、俺には相手の運転手を気に掛ける余裕などなくなっていた。  俺は次の瞬間、その場ですぐさま転回し、一目散にその場から離れていく。  あの顔が脳裏に焼き付いて離れない。     その後、俺はバックミラーを見る事がどうしてもできなかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加