80人が本棚に入れています
本棚に追加
「はあ…っ」
俺は重たいため息をつきながら、パソコンにデータを打ち込む。
ここは、大手食品メーカーの開発部。
俺が大学卒業後からずっと勤めている会社だ。
「どうしたんですか…?新名さん…今日、ため息凄いっすよ…」
隣の席の同僚、年下の岡田が俺に尋ねてくる。
「うん…あのさ…先週、彼女にフラれた… …」
「ええ…??マジっすか…?まだ1年も経ってなくないですか?…なんでなんすかね…そんな顔も良いのに…マジで俺不思議なんですけど…なんか原因って心当たり、あるんですか…?」
俺は岡田のかなり直球な質問に、内心ドキリとする。
「俺がもし女だったら、新名さんとか完全にアリですよ…その顔、そのスタイル…身長もあるしマジで男でも惚れ惚れするイケメンなのに…」
「そう…?複雑な心境だけど、ありがとう…原因…よくわからないんだ…」
さすがに職場の同僚に、
セックスの時に俺のそれが、勃たない…機能しないだなんて言えない…。
「まあ、元気出してくださいよ…新名さんならすぐにまた、女の子の方から寄ってきますって…今日は久々にぱあっと…飲みにでも行きませんか?」
そういえば最近、外に飲みに行っていない…。
たまには気晴らしにいいかもしれない。
俺はそんな風に思い「お…いいね、行こっかな…」そう返事をして、
仕事帰りに沈みきった気持ちを浮上させるべく、岡田と居酒屋へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!