優しくて残酷

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「いや〜新名さん、聞いてくださいよ…俺の彼女、マジで可愛いんですって。俺の部屋に来た途端、ゴロゴロ猫みたいに膝に頭乗せるようにして、甘えてくるんすよ…やっぱ年下で素直な子って、最高ですよね…」 「へ〜 そうなのか…いいな、素直でわかりやすくて…」 俺は酎ハイを片手に、岡田の話に聞き入る。 俺は自分が話すより、人が話しているのを聞くのが好きだ。 だから岡田は一緒にいてとても楽なのだ。 いつもこんな風にどんどん自分から話してくれるから、こっちが色々気を遣わなくて済む。 「そう…!女は素直が一番!ですよ…マジ。 俺が数年前に付き合った彼女は、見た目も可愛くて、物静かで清楚なタイプだったんすけどね〜… ある日いきなりキレて、今まで溜め込んだ不満を全部、爆発させてきましたからね… その都度文句言って発散してくれたらいいのに…マジでビビったし、ショックでした…。 だからそれ以降、俺はおとなしめのタイプ、意思表示が希薄な女子がマジ怖いっす…えっと…すみません、俺ばっか話して…新名さんはどんなタイプが、好みですか…?」 「俺…?」 俺のタイプ…? 好みのタイプはどんな子だっただろう…最近、立て続けにふられ過ぎて、イマイチわからなくなってきていた。 ただ、本当の好みは、控え目な子…っていうか、ちゃんと周りに気を遣える女性…。 でも本当は控え目で自己主張が全くない子よりは、積極的ではっきりものを言ってくれる方が俺にとっては楽なのかもしれない…。 「うーん…まあ、あんまりこだわりはないけど、強いて言えば常識があって周りにも気を遣える子…かな…」やっと、そう答える。 「うっわ…!なんか、すごい新名さんらしい回答…。確かに新名さん自身が気を遣うタイプだから、そんな感じになるんでしょうね」 「… …でもまあ、毎回、振られるしね…」 ボソリと呟くとあからさまに、しまったという顔をする岡田。 「それはそうと、今日は聞きたいんすよ、新名さんの話…今日こそは俺が少しでも新名さんの話聞いて、力になれないかなって思ってるんです…なんでも言ってくださいよ…」 言うか…? 酒の席だ…もうこの際、言ってみるか…? 俺のソレが…男のシンボルが勃たないって… 年下の岡田に、相談してみるか… こいつは秘密を守る男ではあるし… よし…口を開こうとした瞬間、だった…。
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