深夜2時の酔っ払い

1/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ぽたん、ぽたん シンクに水が落ちる。 ぽたん、ぽたん 静かな部屋に響く。 ぽたん、ぽたん 寒くなって来たな、と思いながらも暖房は付けない。 あわよくば、このまま凍死したい。 明日が嫌で死にたいなんて、学生みたいだ。 いい歳して馬鹿みたいだと可笑しくなった。 ぽたん、ぽたん ドンドンドン! 深夜2時。 乱暴にドアを叩かれる。 こんな時間に訪ねてくる奴は1人しかいない。 泥酔してるくせに、いつも口煩いアイツ。 世話焼きの歳上彼女かよ、ってくらい。 「いるのは分かってんだ!あーけーろー!」 俺は立て篭もり犯か。 インターホンを知らないらしい。 以前、放っておくとずっとドアを叩かれた。 近所迷惑なので、仕方無く招く。 「さ、飲むぞ!」 酔っ払いは良い笑顔で言った。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!